2023年7月6日号 |
目標を持ち諦めずに
メダリストが特別授業
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日本人選手最多となる7回のパラリンピックに出場し、引退後もパラ陸上界のレジェンドとして知られる永尾嘉章さんを迎えての特別授業が6月27日、中仙中学校で開催された。永尾さんは生徒達に目標を持ち諦めず挑戦し続けることの大切さなどを伝えた。
特別授業は日本財団パラスポーツサポートセンターの「あすチャレ!スクール」の一環。障がい者スポーツを通して生徒達に社会の多様性を学んでもらおうと、同センターが全国各地の学校で開いている。
講師を務めた永尾さんはソウル大会から日本人最多となる7大会に出場し、世界選手権など国際大会でも優勝、上位入賞しているパラ陸上界のレジェンドで、2004年のアテネパラリンピック陸上1600bリレーで銅メダルを獲得。リオパラリンピック後の2017年に現役を引退した。
特別授業には2年生66人が参加した。実際車いすに乗り、リレーで早さなどを競い合い、盛り上がった。
永尾さんは5歳の時に脊髄の病気で車いす生活を送ることになった。なかなか目標を見出せずにいたが、人生を変えたのは高校の恩師から勧められて始めた車いす陸上だった。大会で負けた悔しさをバネに練習を重ね、大人たちが出ている大会で優勝。その後、パラリンピックでメダルをとることを目標にして活動。怪我もあったが常に目標を持ち挑戦し続けた。
生徒達を前に永尾さんは共生社会について「車いすのスロープがあるから困っているというわけではない。力のない人もいる。困っている人がいたら『車いすを押しましょうか』などと声をかける、そういう心を持ってもらいたい。声かけが共生社会への第一歩」と述べた。
パラリンピックなど自身の競技生活を振り返りながら「簡単に夢や目標を諦めないで頑張って欲しい。上手くいかないこともあるが毎日が充実する。好きなことを見つけるためには何にでも挑戦すること」と呼びかけた。
授業を受けた村上佑輔さん(13)は「諦めないことの大切さを学ぶことが出来た。車いすは曲がることが難しく、障がいを持っている人の気持ちを知ることが出来た。街中で困っている人がいたら声をかけたい」と話した。
※写真は
講話する永尾さん
スピードを競い合う
車いすリレーも
永尾さんが使っていた陸上用の車いすを持ち上げる生徒
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