2023年7月22日号
信頼できる相談先に繋げて
メンタルヘルスサポーター養成講座

photo    大仙市のメンタルヘルスサポーター養成講座の開講式がこのほど、市健康福祉会館で開催された。37人の申し込みがあり、受講者は全5回の講座を通してメンタルヘルスや自殺予防に関する基礎知識や技術を身に付ける。
 開講式では健康増進センターの生田目晴美所長が「心の健康づくりに関するみなさんの関心の高さを感じている。養成講座は今年度で13回目の開講となる。これまで241人が養成講座を修了し、さらにその中から地域の心の健康づくりをもっと細やかに推し進めたいという思いから『ひだまり』というボランティアグループも誕生している」とあいさつ。また「様々な社会環境の中で心のストレスが多い現代においては、メンタルヘルスの重要性が高まっている。心の健康を保つことは人生に生きがいや潤いを与えるとともに、活力ある地域づくりには不可欠であり、ひいては自殺予防に繋がるものである。令和4年の県内の自殺者は224人、令和3年に比較して38人増加している。令和5年に入っても前年を上回る自殺者となっている現状にある。秋田県において自殺予防のための周知啓発に向けて取り組みを進めているところだが、大仙市においても県と協力しながら皆さんと一緒に取り組んでいきたい」と述べた。
 市健康増進センター臨床心理士の佐川利沙さんが「あなたもはればれゲートキーパー」と題して講話した。
 ゲートキーパーは、国が全国の予防対策を進めるために養成を推進している、自殺予防に関する養成講座を修了したボランティア。 佐川さんは、ゲートキーパーには、家族や仲間の変化に気づいて声をかける「気づき」、人の気持ちを尊重し耳を傾ける「傾聴」、早めに専門家に相談するように促す「つなぎ」、温かく寄り添いながら、じっくりと見守る「見守り」の4つの役割があると説明した。
 自殺予防を考える上でうつ状態の理解が大切になるとし「うつ病は100人に約6人がかかる今では誰でも起こりやすい病気になった。イライラしたり、絶望感に支配され、死んだ方が楽かもと思うようになる。死んだ方が楽かもというのは正常な心の状態の判断でそう思うのではない」と佐川さん。「元気がなさそう、眠れていなそう、悩んでいるようだと感じたら自分の胸の中だけにしまっておくだけでなく、信頼できる相談先に繋げてもらいたい」と呼びかけた。
 そして「自殺者数は減っているがまだまだ多くの人が亡くなっている。さらに自殺者を減らすためには、みなさんそれぞれが身近な場所で自殺予防に取り組む必要がある。それが『心はればれゲートキーパー』。多くの人がこの活動に取り組むことで自殺者が減らすことが出来る」と話した。
 また「『心はればれゲートキーパー』は、身近な人が発する自殺のサインに気づき、声をかけ、地域で自殺予防に取り組んでいるメンタルヘルスサポーターや民間団体につなぐ人。気づき・声かけ・つなぎの意識を持ってもらいたい」と語った。
 この後、同センター西部の保健師、橋奈々保さんが「メンタルヘルスサポーターとは?」と題して講話した。講座はこの後、11月まで4回実施する。

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※写真は
あいさつする生田目所長
講話する佐川さん




詳しくは2023年7月22日(土)号をご覧下さい。
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