2023年8月3日号 |
5度目の優勝
曲中野球部 東北大会へ
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第89回全県少年野球大会兼第72回県中学校総体軟式野球大会で、大曲中学校が羽城・五城目一を6―1で下し、28年ぶり5度目の優勝を果たした。5〜7日に福島県で行われる東北大会に出場する。
7月28日、秋田市のさきがけ八橋球場で行われた決勝。大曲は1回、安打と四球などで無死2、3塁。右前適時打、スクイズなどで3点を先行した。6回表を3安打1失点にまとめ、同裏には4連続長短打などで3点を追加。相手を突き放し、勝利をたぐり寄せた。
泉徳人監督(39)は「子ども達も苦しいことや辛いことはたくさんあったと思うが、そこから逃げず、諦めずにやってきたことが実を結んだ」と話す。「たくさんの人の応援や励まし、支えがあっての優勝。これを機に、子ども達には周りの人に感謝する気持ちや周囲の人のあたたかさを感じ取ってもらい、人として、チームとして成長する大きなきっかけにしてほしい」と力を込める。
目指してきたのは「負けにくい野球」。攻撃面においては進塁、守備では相手の進塁を防ぐことを重視し、鍛え上げた。丁寧に粘り強く守るのがチームの持ち味。今大会では多くの安打が出たが、泉監督曰く「どちらかというと打って勝ってきたチームではない」。
全県一に輝いた「負けにくい野球」は一朝一夕に生まれたものではない。泉監督にとって母校でもある同校赴任後、思うような結果が残せず苦悩した日々もあった。試行錯誤の中、信じる野球を貫き、勝利をつかむことができたのは周囲の人々の励ましと支えがあったからこそ、と語る。
「地域の方々やOBの皆さん、なにより関わった子ども達にたくさん励ましてもらったことが一番の原動力になった。東北大会では目の前の試合を一つひとつ勝ち上がっていくことを大切に、目標の全国大会出場につなげたい」と述べた。
1点を返された6回裏、右前に相手を突き放す2点適時打を放って勝利を呼び込んだ6番の戸島仙太さん(15)=3年=は「全県優勝というチームの目標を達成できて嬉しい。東北大会でも、チームに貢献するようなバッティングができれば」と意気込む。
主将の伊藤誠也さん(15)=3年=は「先輩たちの悔しい気持ちを自分たちの代で晴らせるよう、がんばってきた。優勝の瞬間、みんなでマウンドに集まった時は嬉しくて自然に涙がこぼれた」と振り返る。「東北大会まで残り少ないが、チーム一丸となってレベルを上げ、優勝を目指してがんばりたい」と決意を述べた。
東北大会には各県の代表12チームが出場し、頂点を競う。上位3チームが18〜22日に高知県で開催される全国大会へ駒を進める。
※大会の写真は大曲中学校提供
※写真は
閉会式の様子
泉監督(右)と伊藤主将
ピンチを迎えた選手に声をかける泉監督
優勝を決めた瞬間
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