2023年9月30日号 |
猛暑の影響 新米にも
稲刈り本格化
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大曲仙北地域が実りの秋を迎えている。田んぼでは稲刈りが進み、奥手の品種サキホコレの刈り取りはまもなく最盛期を迎える見込み。秋の晴れ間、黄金色の田んぼにコンバインの軽快な音が響き渡った。
大仙市内の大型ショッピングモールそばの田んぼで作業していた50代男性は、例年に比べて1週間ほど早く作業に取りかかったと話す。栽培品種はあきたこまち。12日から始めた作業は10月上旬まで続く。収量は例年とほぼ変わらないが、品質については「悪いようだ」と肩を落とす。
「猛暑の影響で、田んぼに水を入れてもすぐになくなってしまうし、農作業自体が暑くて大変だった。暑さで米が白くなった。品質はもうどうにもならない。その分、少しでも収量が取れてカバーできればいいが」と声を落とした。
JA秋田おばこ米穀課の担当者によると、例年であれば管内の9割以上の米が一等米となるが、今年はその割合が逆転。あきたこまちに関しては一等米がほぼ無い状態だという。「このような経験は初めて。7月下旬からの経験したことのない暑さの影響をもろに受けた」と話す。
高温障害を受けると白い粒の米「乳白粒」が発生する。今年はどの生産者の米にもこの乳白粒が多く見られ、一等米の検査基準に達していない。
サキホコレに関しては「まだ今年の米を見ていないが、サキホコレは暑さにも強いということで開発したはず。乳白粒の混入は少ないのではと予想している。あくまでも予想だが、一等米になるのでは」と期待を込めた。
長きにわたって冷害に悩まされてきた本県。冷害に対処するための方策はいろいろ取られてきたが、その逆の暑さは想定外だった。
「今年のような猛暑が異常気象ではなく通常になってしまえば、あきたこまちは栽培方法を変えたり田植えを遅くするなど、様々なことを変えていく必要が出てくる。何かを変えないと、あきたこまちは生き残っていけない世の中になってしまうかもしれない」と述べた。
※写真は
コンバインで稲刈り
倒れた稲を起こす作業
刈り取り作業本格化
刈ったモミを軽トラへ
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