2024年7月13日号 |
郷土の宝を後世に
あきた民話の会25周年
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あきた民話の会(岩谷作一会長)創立25周年を祝う式典が7日、県立農業科学館・映像ホールで開かれた。会員ならびに来賓、関係者など約70人が出席。郷土の宝である秋田民話の継承と会のさらなる発展を誓った。
あきた民話の会は、民話と秋田弁を大切にする人々が交流を深め、伝統文化の振興や地域の向上に資する目的で設立。県北・中央・県南各地区で年3回の秋田弁の昔っこ例会を開催しているほか、会報「あきたの民話」の発行も行っている。
岩谷会長はあいさつで「秋田には7千を超える昔話があると言われ、その中でも『長福山の山姥』は秋田のみで語られている貴重な昔話。本日はかつての大先達、堀井徳五郎翁の遺徳をしのんで、当会副会長の黒沢せいこさんが講演を、大仙民話の会の皆さんが紙芝居を披露して下さる。先人が育んできた考え方や生活の知恵、教訓、ユーモアあふれる秋田民話の継承と発展につながる何かを見出してもらえるものと期待している」と述べた。
来賓として出席した大仙市の伊藤雅己教育長は「皆さんがご披露下さる民話は、秋田のなつかしい風景や情景を思い出させてくれるとともに、想像力を膨らませ、ふるさと秋田への様々な思いを抱かせてくれるもの。人口減少や少子化の影響で伝統文化の継承は非常に厳しい時代を迎えているが、そのような中にあって、皆さんの活動は秋田の伝統文化である民話を将来へ着実に継承するものと期待している。市としても引き続き、活動を積極的に支援していきたい」と語った。
功労者表彰では、長年、会の発展のために尽力した腰山照子さんと煙山惇さんを表彰。岩谷会長が表彰状を手渡した。
黒沢せいこさんは、「長福山の山姥」の昔語りで知られる堀井徳五郎翁(1885〜1974)について講演。大仙市南外出身の堀井氏の功績を紹介し、「大仙の宝である堀井徳五郎さんを知る人はほとんどいない。大仙に昔、こういうすごい人がいたということを地域から発信し、徳五郎さんの功績を語り継いでもらえるとありがたい」と話した。
南外中学校の生徒が制作した墨絵風紙芝居「長福山の山姥」を、大仙民話の会の会員らが口演したほか、式典後半では会員8人が交代でステージに上り、笑いあり、涙ありの民話語りを披露。地元の学校で25年にわたり昔語り活動を続けている、美郷町の高橋茂子さんは「鍋のなかまっこ」をユーモアたっぷりの語り口で口演し、ほのぼのとした笑いを誘った。
来場者は時を忘れて奥深い郷土の民話の世界に浸り、人から人へ長く語り継がれてきた民話の心に思いをはせた。
※写真は
表彰を受ける煙山さん
あいさつする岩谷会長
黒沢さんの基調講演
秋田弁の語りに耳を傾ける
大仙民話の会による紙芝居「長福山の山姥」
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