2024年8月24日号 |
国宝の御神鏡公開
豊川の水神社
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大仙市豊川の水神社(太田晴子宮司)で17日、例大祭が行われた。県内で唯一の国宝に指定される「線刻千手観音等鏡像」が一般公開され、貴重な御神鏡をひと目見ようと、県内外から多くの参拝者が訪れた。
同神社の御神体である線刻千手観音等鏡像は1677年(延宝5年)、現在の大仙市豊岡地区にある用水路の開削作業中に土中から見つかった。直径13・9p、厚さ6o、重さ525gの同鏡は、青銅の表面に錫メッキが施され、形は8つの突起を持つ八稜鏡。鏡面中央に11面40手の千手観音菩薩の立像が刻まれ、その周囲に功徳天や女神、仙人、守護神などが彫られている。10世紀後半(平安時代)の作とみられ、極めて高い芸術性を有する同鏡は1953年、国宝に指定された。
水の神様として同鏡を祀る水神社では年に一度、8月17日の例大祭に合わせて一般公開している。
公開に先立ち、神主が五穀豊穣や家内安全、子孫繁栄などを願う「水神舞」と「山神舞」を奉納。ふだん収蔵庫に保管してある国宝をガラスケースに入れた状態で参拝者に公開した。
参拝者は御神鏡を前に手を合わせ、深々と一礼すると、身を乗り出して拝観。鏡に彫られた菩薩の表情などをじっくりと眺めた。
静岡県から来た50代女性は「仲間と全国の国宝を見て回っている。ほかの仲間はみんなこの国宝を見ているが、自分は今日が初めて。意外と線が残っていて驚いた。とてもきれいだった」と話した。
奈良県から訪れた60代男性は「奈良にも国宝はたくさんあるが、いろんな地域に実際に足を運んで見る国宝もとても良い。ずっと来たかったので、目の当たりにして感動した」と語った。
※写真は
舞を奉納
身を乗りだして拝観
参拝者の列
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