2024年9月5日号
18台が巡行
7日から「角館のお祭り」

photo  勇壮な「やまぶっつけ」で知られる角館祭りのやま行事「角館のお祭り」が7日から9日までの3日間にわたり、仙北市角館町で開催される。全18丁内の曳山が巡行し、地域の繁栄と豊作、無病息災を祈願する。
 江戸時代の町割りと武家屋敷が残る角館で、受け継がれる同祭り。
 武者人形や歌舞伎人形が飾られた山を、18丁内の若者たちが力強く曳き回す姿は、毎年多くの観客を魅了する。1991年に国の重要無形民俗文化財に指定され、2016年にはユネスコ無形文化遺産「山・鉾・屋台行事」にも登録された。
 総重量8dにもおよぶ曳山は、ナラの堅木を組み上げたもの。中心に神を迎える山「もっこ」を据え、屋根には「みんじゃ」と呼ばれる神の水飲み場があり、そこに歌舞伎仕立ての武者人形が鎮座する。
 曳山には、小太鼓や横笛、三味線などで構成される囃子方と踊り子が同乗する。囃子方は山の動きを知らせる「寄せ囃子」や、目的地へ向かう「上り山囃子」などを奏で、踊り子も様々な手踊りで観客を魅了する。
 この祭りの特徴は、曳き回す山の道筋が決まっていないこと。曳山には、参拝や上覧に向かう「上り山」と、それらを終えた「下り山」があり、城下町の狭い道路で山同士が鉢合わせすると、上り山が通行優先権を得る決まり。しかし鉢合わせした山が同じ山同士の場合は対等となり、黄色いタスキをかけた双方の山の交渉員が優先権を巡って話し合いを行う。  交渉が決裂すると、「やまぶっつけ」と呼ばれる曳山同士のぶつけ合いへ。曳山の上の若者が笛を鳴らし、提灯を振って合図を出すと、双方の若者たちが喚声を上げて曳山を押し出し、豪快に山をぶつけて雌雄を決する。
 7日午後4時、のろし花火を合図に参拝がスタート。18丁内の曳山が町南側の神明社に向かって一斉に動き始める。「オイサー、オイサー!」のかけ声とともに、参拝に訪れた曳山が棒状一列に並ぶ光景は圧巻。
 8日は午前10時から各丁内が佐竹北家に上覧を仰ぎ、囃子と踊り、その年の山の出来栄えを佐竹北家当主に披露する。同夕刻からは薬師堂への参拝のほか、旧市役所角館庁舎跡地前や秋田銀行前など計7カ所で「観光やまぶっつけ」が行われる。
 9日夜は、いよいよ「やまぶっつけ」本番。伝統と熱気にあふれる夜が見る人の心に忘れられない瞬間を刻む。
 ※写真は昨年写す。

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※写真は
勇壮な山ぶっつけ
優先権を主張する交渉員
踊りを披露
佐竹北家へ上覧に向かう曳山


詳しくは2024年9月5日(木)号をご覧下さい。
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