2024年9月12日号 |
勇壮に
角館のお祭り
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仙北市角館町の角館祭りのやま行事「角館のお祭り」が、9日夜から未明にかけてクライマックスを迎えた。町内各所で「本番やまぶっつけ」が繰り広げられ、曳山のぶつかる豪快な音が響き渡った。
この行事は、角館神明社と薬師堂の祭典にあわせて行われ、地域の繁栄や商売繁盛、無病息災を祈願するもの。
約400年の伝統を誇り、1991年に国の重要無形民俗文化財に指定され、2016年にはユネスコの無形文化遺産にも登録された。
武者人形や歌舞伎人形をあしらった全18丁内の曳山が、笛や大太鼓、三味線などで構成される囃子方と踊り手を乗せて町なかを練り歩く。各丁内には曳山への運行指示の権限を持つ「張番」が設けられ、黄色いタスキをかけた曳山の交渉員が入丁許可をうかがう場面が随所で見られた。
曳山は「上り山」と「下り山」の2つに分けられる。神明社や薬師堂への参拝、佐竹北家の上覧、張番に向かう山を「上り山」、これらの目的を終えたものを「下り山」と呼ぶ。
曳き廻しの道筋が決まっていないのが同祭りの特徴で、路地で曳山同士が鉢合わせとなった場合、通行の優先権は上り山にある。同じ山同士の場合は対等の立場となり、通行優先権をめぐって「交渉」が行われ、黄色いタスキをかけた双方の交渉員が運行状況や目的などを主張し合う。
ねばり強い交渉がくり返され、それでも話がまとまらなければ実力行使へ。曳山の上の若者が笛を吹いて騎馬提灯を激しく振ると、それが「やまぶっつけ」開始の合図。双方の若者が渾身の力で曳山を押し出し、突破を目指して山をぶつける。
勇壮なやまぶっつけをひと目見ようと、通りには大勢の観客が詰めかけた。地鳴りのような音を立てて曳山がぶつかる姿に観客は熱狂。若者たちは喚声を上げて曳山を押し出し、祭りの熱気は最高潮に達した。
※写真は
豪快なやまぶっつけ
勇ましい人形
張番で入丁許可をうかがう
交渉員の駆け引きが続く
曳山を操る若者たち
通りを埋めつくす観客
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