2024年9月19日号 |
妙技に歓声
神宮寺のお祭り
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大仙市神宮寺の八幡神社祭典が15日に行われた。150sの重さを背負い、8mの旗竿を掲げて歩く「旗背負い」と、ユーモラスな「奴振り」が沿道の住民の注目を集めた。
旗背負いは、江戸時代末期に疫病の流行で多くの死者が出た際、地元の地主が悪霊退散のため、力自慢の若衆に悪病(村の苦難)を背負わせて八幡神社に奉納させたのが始まりとされる。後継者不足で一時中断していたが、昭和51年(1976年)に復活。地域の重要な伝統行事として受け継がれている。
旗背負いを担う大勇講(おおいさみこう)のメンバーは、祭典の1週間前から酒、魚、肉を断つ精進潔斎を行う。当日早朝、雄物川の川原で藁袋に石を詰めた「かます」6俵を作り、八幡になぞらえて八の字に組んだ旗竿とかますを背板に取り付けると準備完了。かつて33尺(約10m)あった旗竿は、大正2年の電線の敷設にともない、現在の長さに変更された。
諸般の事情により、今年は旗背負いの区間を大幅に短縮。たっつけ袴に印ばんてん姿の男たちは、塩とお神酒で身を清めると八幡神社にむけて出発した。
町内に設けられた会所や講中の家に立ち寄りながら、大薙刀を杖代わりに3人で交代して練り歩き、旗竿の先に結び付けたひもをたくみに操って電線をかわす妙技も披露。沿道に集まった人たちは歓声を上げ、股下をくぐると健康になるという言い伝えを信じた子どもが、股下をくぐる姿もあった。
沿道で見守った地元の70代女性は「高齢化が進んで担い手が減る中、新しく参加してくれる若者がいて心強い。健康と豊作を願って続く大事な行事。いつまでも残してほしい」と話した。
並行して行われた奴振りでは、白塗りの顔に大げさなひげや眉を描いたひょうきん者たちが、「ヨーイヤ、ヨイ」のかけ声とともに、体を左右に振って練り歩いた。
※写真は
電線をくぐる妙技を披露
6俵のかます
出発前に身を清める大勇講のメンバー
歩き切って交代
旗背負いの股下をくぐる子ども
ユーモラスな奴振り
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