2024年9月21日号
稽古の成果を披露
藤扇会70周年記念日本舞踊公演

photo  日本舞踊藤間流「藤扇会」(藤間寿々穂会主)の70周年を記念した日本舞踊公演が15日、大曲市民会館・大ホールで開催された。出演者は多くの来場者が見守る中、日頃の稽古の成果を発揮した。
 今回は藤扇会発足70周年、初代会主・藤間小妙十三回忌追善の記念公演。また伊藤美羽事藤間紅羽寿、喜多美月事藤間寿々遥、東坂映那事藤間映那の新名取3人の襲名が披露された。
 長唄「連獅子」は、能の石橋から出た松羽目ものの一つ。獅子はわが子を千尋の深い谷へ突き落とし、上がってくる勇猛心のある子だけを養うという中国の故事に取材した所作。藤間佳花さん、藤間咲佳さんの親子競演で今回は素踊り形式で踊った。
 長唄「京鹿子娘道成寺」は日本舞踊の代表的な曲。道成寺の鐘供養を拝みに来た白拍子が次第に本性を現し、清姫の執念の蛇となって鐘を巻く。今回は所化によるお掃除のくだりを復興して上演したもので、白拍子花子を襲名披露となった喜多美月事藤間寿々遥さん、所化を9人が演じた。
 東京で活躍する日本舞踊家の藤間仁章さんと、藤扇会会主の藤間寿々穂さんによる長唄「新一つとや」は、ユーモア邦楽として企画された作品。数え唄に寄せ長唄、義太夫、小唄と特徴ある3つの曲趣で展開された。
 公演には、大曲昭和58年会有志も出演。力強い梵天唄をホールいっぱいに響き渡らせ華をそえた。
 企画番組は花火のまち大曲らしく「花火八趣」が披露された。  この作品は藤間仁章さんが全国花火競技大会「大曲の花火」に感銘し、作詞。花火の由来から始まり、狼煙や忍者の煙玉、江戸のねずみ花火、そして大曲の花火など、変化に富んだ曲となっており、東京の国立劇場や大仙市誕生記念日本舞踊特別公演でも上演されている。
 藤間佳花さん、藤間妙寿々さん、賛助出演の藤間仁凰さん、会主の藤間寿々穂さん、特別出演の藤間仁章さんの5人が、花火が歴史を重ね受け継がれていく様と、藤間小妙さんが創設した藤扇会への想いが、次世代へと受け継がれ紡いでいく様を重ねて上演した。
 藤間会主は「いろいろな人からの支援のおかげで本日、終演することができ心から喜んでいる。今年は藤扇会70周年や大仙市誕生20周年、会場となっている大曲市民会館開館30周年と色々な節目の年。藤間小妙十三回忌も無事に終えられたことが最大の喜び。私自身、後継者が若いうちから力を発揮できるよう後押ししていきたい」と話した。

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※写真は
藤間仁章さんと藤間会主による長唄「新一つとや」
親子競演による長唄「連獅子」
長唄「京鹿子娘道成寺」の一場面
大曲昭和58年会による梵天唄
企画番組「花火八趣」


詳しくは2024年9月21日(土)号をご覧下さい。
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