2024年9月28日号 |
声の力信じて20年
いのち愛の朗読会
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大曲朗読の会(田口靖英会長)主催の第20回記念「いのち 愛の朗読会」が20日、大曲市民会館・小ホールで開催された。会員13人が古今の名作を朗読。趣向を凝らした演出で観客を魅了した。
平成14年(2002年)に有志7人で発足した大曲朗読の会は、朗読の魅力を広めるべく、同16年(2004年)から「いのち 愛の朗読会」をスタート。会員数や規模を拡大させながら朗読会は続き、第10回公演からは大曲市民会館を会場に、音楽や絵と融合させた声の表現に挑んできた。これまでに200を超える作品を朗読している。
田口会長はあいさつで「21世紀に入ってもいまだ世界各地で戦争や紛争がやまず、飢えや貧困に苦しむ人も多くいる。『いのち 愛』をテーマに朗読を続ける我々はこの現実を心に刻むことが大事だと考えている。本会では、充実した内容の作品を選び、音声にのせて皆様に届けることを目指している。最後までゆっくり楽しんでほしい」と述べた。
朗読会は3部構成。第一部「埋み火の中から、再会を」では、ともに歩んだ仲間を偲ぶ4作品が朗読され、スクリーンに映し出される絵と音楽が声と調和し、観客を物語世界へと誘った。
第二部「つたえて、あの人に…」では、田口会長が絵本「ジロがなく」(山下ケンジ)を読みあげた。渡邉じゅん子さんによる「枕草子」では手話を取り入れ、聴覚の不自由な人にも楽しんでもらえる表現を追求した。
第三部「生きることは、変わるということ」では、小山治男さんが「サンタクロースってほんとにいるの」(てるおかいつこ)を腹話術とともに披露。心温まるかけ合いで笑いを誘った。第14回から続く「あらしのよるに」(きむらゆういち)シリーズは今回で最終回。奥田敦夫さんの情感豊かな語りに、会場から大きな拍手が送られた。
ロビーには過去の公演のポスターや、大曲公民館で開かれた第1回から今回に至るまでのプログラム、朗読台本等が展示され、20年のあゆみと進化の過程を垣間見ることができた。
大曲地域から訪れた80代女性は「毎回趣向を凝らした演出で楽しませてもらっている。今年も『枕草子』の衣装や『かぜのでんわ』の絵など、耳だけでなく目でも楽しむことができた」と話した。
※写真は
第一部の「今日からはじまる」
腹話術も登場
手話を取り入れた「枕草子」
最終回を迎えた「あらしのよるにZ」
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