2025年1月11日号
映画「ら・かんぱねら」完成
大曲上映は3月14日から

photo  大仙市大川西根出身の映画監督・鈴木一美さん(69)が制作した映画「ら・かんぱねら」が完成した。有明海の海苔漁師・徳永義昭さんが独学でフランツ・リストの最難曲「ラ・カンパネラ」のピアノ演奏を成し遂げたという実話をモデルにした作品で、1月31日のイオンシネマ佐賀大和を皮切りに全国の劇場で上映する。秋田では2月8日の十文字映画祭のオープニングを飾り、3月14日からはイオンシネマ大曲で上映される。  鈴木さんは横浜放送映画専門学院(現・日本映画大学)で学び、映画「さよなら、クロ」、「野球部員、演劇の舞台に立つ!」などのプロデューサーを長年務めた。監督として映画を撮るのは今回が初めて。
 「ら・かんぱねら」は人生を賭けた徳永さんの挑戦を支え続けた家族の「愛情」や友人、仕事仲間との「絆」がテーマ。主演の海苔漁師役に伊原剛志さん、妻役には南果歩さんが起用されている。
 映画製作のきっかけについて鈴木さんは「海苔漁師をしながらこの曲を弾ききったということは尋常ではないと思った。取材していくうちにこの人の性質や生き方って何なんだろうと惹かれた」と話した。
 また「海苔漁を取材すると、米農家が海でやっているのと同じ状況。海苔の種から栽培し、種を海に移し栽培し、摘み取る。それを工場に持って行き加工し成形し売りに出す。職業は違えどやっていることは第一次産業と同じ。秋田県をはじめとする第一次産業を主としている県の共感を呼べる話だと思う」と語った。
 最終的な観客対象は中高生を念頭においているといい「人生は挫折の繰り返しがほとんど。徳永さんもさまざまな枷がある中で、やり通したということに中高生も勇気付けられると思う。いい教材になる気がした」と述べた。
 映画の見どころについて「盲目のピアニスト辻井伸行さんは、『ラ・カンパネラ』を5分、フジコ・へミングさんは6分弱、この映画のモデルとなった徳永さんは7分で弾く。伊原は倍以上の11分だが、11分で弾くまでになれた夫が、妻に捧げるスローバラードがこの映画の見物。ラスト11分、伊原剛志の『ラ・カンパネラ』を堪能してもらいたい」と話した。

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※写真は
初メガホンをとった鈴木監督
映画のポスター



詳しくは2025年1月11日(土)号をご覧下さい。
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