2025年5月10日号
春を彩る
エビネ・日本桜草 農業科学館最終開催

photo  色とりどりのエビネと日本桜草が一堂に会す「日本の蘭エビネ・日本桜草展2025」が4月26・27日の両日、大仙市内小友の県立農業科学館で開催された。ダリアノオオヤマ(大山慶代表)主催の本展は、同館での開催は今回が最終。40種類のエビネ約40鉢と、40種類の日本桜草約40鉢の計80鉢あまりが、優美な花姿と芳醇な香りで訪れる人を魅了した。
 主催の大山さんは、湯沢市で花の育種や切り花・鉢花の生産販売を行う花のスペシャリスト。9月下旬から10月下旬にかけて「ダリアノアトリエ」と名付けたダリア畑で、オリジナルダリア500種、約2500株のダリアを公開している。 メインで栽培するダリア以外に栽培可能な植物を探していたところ出会ったのが、春を彩るエビネと日本桜草。エビネは日本各地の低山や林地に自生する蘭の一種で、人工交配により様々な色の花が生まれ、バラエティに富んだ色や香り、可憐な花姿から根強いファンも多い。一方の日本桜草は、桜の花に似た五つ裂きの花弁を持つ楚々とした美しさが魅力で、古くから日本人に愛されてきた春の花。最近は猛暑の影響でエビネの夏越しには苦労するという大山さんだが、咲くまでに長い期間、手間暇をかける必要がある分、咲いた時の喜びは大きいと話す。
 最初は自宅で小規模に始めた展示会だったが、縁あって同館で開催する運びとなり、以来、春の風物詩として親しまれてきた。しかし諸事情により、今回が同館での最終開催となる。今後は湯沢市などでの開催を検討しているという。
 大山さんは「エビネ愛好家の皆さんは熱心で、本展に毎年足を運んでくださる方も多かった。同館での展示は今回が最後となるが、今後も花に関する様々な情報発信を行いながら、皆さんに楽しんでもらえるようがんばりたい。とくに若い世代に興味関心を持ってもらえるような工夫を重ねていく」と語った。
 訪れた人たちは、会場に足を踏み入れるなり「いい香りがする」と立ち止まり、エビネの芳香に笑顔を見せた。また10年程かけて育てられた大株のエビネも注目を集め、「すごいね」、「何年かけたらここまで大きくなるんだろう」といった驚きの声も聞かれた。
 横手市から訪れた70代女性は「自宅でエビネを一株だけ育てているが、ちゃんと手をかけてあげたいと思い展示を見に来た。桜草もきれいだったので苗を購入した。育てるのが楽しみ」と話し、花との新たな出会いを喜んでいた。

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※写真は
エビネの大鉢
可憐な花姿
愛らしさが人気の桜草
根強いファンが多いエビネ


詳しくは2025年5月10日(土)号をご覧下さい。
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