2025年5月13日号 |
思いやりの心学ぶ
ステップUPコースの福祉学習
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秋田修英高校で9日、ステップUPコースの1年生10人が高齢者体験や車いす体験を通じて思いやりの心を学んだ。
授業は学校設定科目「地域協働」の一環。大仙市社会福祉協議会が実施する「菜のはなタイム」として行った。
講師となった社協職員から、バリアフリーについて「障がいを取り除くという意味がある。みなさんの身近にもたくさんのバリアフリーがあるので、授業をきっかけに、どんなものがあるかを考えてもらいたい」と話した。
バリアには出入り口や通路に段差があるなどの「物理的バリア」、目が不自由な人のための安全案内が出ないなどの「文化・情報面でのバリア」、障がいを理由に就職の試験が受けられないなどの「制度的なバリア」、障がいのある人に「可哀想だから」と特別扱いするなどの「意識上のバリア」があるといい「バリアフリー社会の実現のためにはこれら4つのバリアを取り除く必要がある」と話した。そして「中には私たちの力だけでは難しいものもあるが、意識上のバリアは、私たちが意識することで出来ることがあるので、考えてもらいたい」と呼びかけた。
続いて2人1組になっての車いす体験と高齢者体験に移った。車いすの使用方法について社協職員から説明を受けた生徒たちは、2人1組で段差やカラーコーンで作られたS字や狭隘コース、マット上を通るルートで体験した。
押す側は「動きますよ」、「段差です」など声をかけ相手を思いやる気持ちを持って取り組んだ。それでも乗っている側は「スピードが速く感じる」、「怖い」などと口々に話した。
高齢者体験では視界がぼやけるメガネと音を遮断するヘッドホン、それに体を重くするためのチョッキと足を曲げられなくする道具を片足に装着。寝た状態から立ち上がり、杖をつきながら階段の上り下りを体験した。サポートする側は車いすのときと同様に「段差がありますよ」、「階段はあと○段です」などと声をかけた。
河村ちえりさん(15)は「車いす体験では、押す側は段差を超えるときに体力が消費するし、乗っているときは落ちそうになり怖かった。高齢者体験では、視界が曇っていたり、耳が聞こえにくく高齢者の大変さを知ることが出来た。街中で困っている人がいたら助けてあげたいと思った」と話した。
秋田修英高校は文科省の「学びの多様化学校」(いわゆる不登校特例校)の指定を受け、今年4月からステップUPコースを開設。同コースでは不登校経験者や学校に通いづらさを感じる生徒に合わせ、小・中学校の内容を学び直すことができる特別な教育課程を設置しているほか、地域協働として地域の文化や産業について学んだり、地域とのつながりを大事にしながらボランティア活動を行っている。
今後、生徒たちは社会福祉協議会で配食サービスに添える手紙作成や年賀状作成などを、地域の高齢者施設では清掃ボランティアなどを実施していく。
※写真は
バリアフリーについて説明する社協職員
段差を体験
さまざまな道具を装着しての高齢者体験
車いすについて説明を受ける
マット上も
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