2025年6月19日号 |
花火の奥深さ体感
4校合同課外授業「大曲の花火$рオ」
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夜空を彩る大輪の花火に、子どもたちの瞳が輝いた。大曲商工会議所青年部まちづくり委員会(草薙渉委員長)は9日、大曲小学校体育館で花火の課外授業「大曲の花火$рオ」を開催。大曲小、花館小、四ツ屋小、東大曲小の4年生260人が、ふるさとが誇る花火文化の魅力と奥深さを学んだ。
初の4校合同開催となった今回は、花火の歴史から最新の打上げ技術まで3章構成で展開。花火創造企業の最上谷友宏さんが「花火の歴史と見かた」、響屋大曲煙火の今野祥さんが「花火の製造と打上げ」、草薙さんが「大曲の花火」の大会運営について熱く語った。
「花火の始まりは今から1225年前の中国」と最上谷さん。不老長寿の薬を作ろうと木炭、硫黄、硝石を混ぜていたところ偶然爆発し、火薬が誕生した。この火薬がのろしに使われるようになると、煙だけでなく音や光で遠くに合図を送れるように。花火の起源となる壮大な歴史に子どもたちはじっと聞き入った。
子どもたちは「大曲の花火」大会の迫力を映像で体感。夜空いっぱいに開く10号玉芯入割物や自由玉、創造花火の美しさに身を乗り出した。
続いて今野さんが花火製造の4工程、配合・造粒・玉込め・玉貼りについて解説。ほぼ手作業で進められる花火づくりは10号玉ひとつを完成させるのに約1カ月、競技用の手の込んだものだと2カ月もかかるという。
「世界の花火は1色しか出せないが、日本の花火は3回、4回と色を変化させることができる。これは世界に誇れる技術」と胸を張る今野さん。他にはない色を求め、新色の開発に2年を費やすこともあったと振り返った。
今野さんは「研究や試験打ちを重ねながら、皆さんに元気と感動を届けられる花火づくりに日々取り組んでいる。ぜひ足を運んで見に来てほしい」と呼びかけた。
大会運営の裏側を語った草薙さんは「大仙市の人口は約7万3000人だが、『大曲の花火』当日には10倍の70万人が訪れる」と紹介。大勢の来場者を支えるために市役所や警察、消防と協力しながら奔走する舞台裏を明かし、「スタッフは2000人ほどと少ない。将来、皆さんにもぜひスタッフとしてご協力いただきたい」と語りかけた。
授業を終えた大曲小の柳妃希さんは「花火大会の前日にスタッフの方が会場の椅子やテーブルを拭いてきれいにしている姿が心に残った。今日学んだことをこれからの総合学習に生かしていく」と話した。
同青年部の高橋智也会長は「『大曲の花火』はたくさんの人が力を合わせて作り上げる、日本でも有名な花火大会。花火って面白い、自分も何か関わってみたいと少しでも思ってもらえたなら嬉しい」と期待を込めた。
※写真は
参加した4校の児童
花火の歴史について語る最上谷さん
製造工程を解説する今野さん
最新の打上げ技術を紹介
映像で見る花火にわくわく
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