2025年6月24日号 |
消えゆく灯りに希望の萌芽
青空マーケット「Buy Local大曲」
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かつて多くの人々で賑わった大曲駅前に、久しぶりに活気が戻った。大曲駅前特設会場で7日に開催された青空マーケット「Buy Local大曲」には、地元で愛される24店舗が集結。色とりどりのテントやキッチンカーが並ぶ会場に店主らと住民の笑い声が響いた。
「Buy Local」は、住民が地元の魅力的な店を積極的に利用することで地域経済を支える取り組み。2013年に大阪市阿倍野・昭和町周辺で始まり、全国に広がった。このたび大仙市地域おこし協力隊の明石浩一さん(45)や本橋奈々子さん(40)、「RUSH BAR」の久保田健一郎さん(44)、かき氷・たい焼き店「よりみち」の佐々木美子さんらが中心となってバイローカルパートナーズを立ち上げ、本イベントを開催。地元の店舗を紹介するマップも制作した。
イベント開催準備に約2カ月。メンバーは地元で「良い商い」をしている店舗に一軒一軒声をかけ、出店を募った。
訪れた人たちは店主と言葉を交わしながらのんびりと買い物を楽しみ、これまで足を運ぶ機会がなかった地元の店も新たに発掘。
大曲地域から訪れた鈴木里菜さん(36)は「ふだん地元のお店に子どもとラーメンを食べに行くが、今日また新しいお店を知ったので、ぜひ訪れたい」と笑顔を見せ、「駅前の土産店などが減り、この辺りも寂しくなったと感じていた。空き地を活用して地元を盛り上げようとしてくれているイベント。応援したい」と話した。
大曲駅前に「RUSH BAR」を開いて18年、まちの変化を見守ってきた久保田さんは「まちから徐々に明かりが消えている」と語る。「今もコロナ前の水準には戻っていない上、人口減少も視野に入れた店舗運営を考える必要がある。空きテナントをうまく活用するなど、まちに明かりをともす工夫が大事。今回のイベントをきっかけに、駅前の空き地が活用可能な場所になったら嬉しい」と力を込めた。
本橋さんは「お店と地域の方、それにお店同士のつながりを作りたかった。駅前にこんなに人が集まることは珍しい。たくさんの方に足を運んでいただいて嬉しい」と手応えを語る。明石さんも「今後もまちを盛り上げるイベントを継続的に開催していきたい。回を重ねるごとにより多くの店舗に参加していただき、駅前エリア全体の活性化につなげたい」と意欲を示した。
次回開催は10月中旬頃を予定。小さな1歩が大きな変化へつながる希望を感じさせる1日となった。
※写真は
開始まもなく続々人が
買い物を楽しむ人々
多くの人でにぎわう飲食テント
「かき氷ください」
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