2025年7月10日号
未来を実感
大曲工業生徒と交流会

photo  「学校の屋根が見えたよ」。地上約15bの高所作業車体験を終え、余裕の笑みを浮かべる生徒。大曲仙北電気工事協同組合青年部会(佐々木一貴会長)は6月25日、大曲工業高校(柴田修校長)で電気科1年生を対象にした交流会を開催した。生徒70人が参加。職業体験にのぞんだ。
 交流会は人材確保を目的に2016年から続いている取り組みで、今回が10回目。若手技術者の不足が課題となっている電気工事業界では、地域の重要なライフラインを支える担い手の育成が急務となっている。
 開会式で柴田校長は「社会基盤を支える工業技術の中でも、ライフラインと呼ばれる電気は私たちの生活になくてはならないもの。今日は授業でなかなか体験できない専門工務の作業体験を通じ、プロの方から直接お話を聞ける機会。遠慮なく質問し、有意義な一日にしてほしい」とあいさつ。
 県電気工事工業組合大曲支部の吉田利雄理事長は「ライフラインを支える事業者として、将来この仕事を引き継いでくれる技術者を育てたいとの思いから、この10年間取り組んできた。今日は皆さんの屈託のない意見を聞かせてもらいながら一緒に学んでいきたい」と述べた。
 生徒は高所作業車体験や照明回路配線、圧着端子・同軸ケーブルの圧着作業など実際の現場で使われる技術を体験。
 高所作業車体験ではフルハーネスとヘルメットを装着し、会員とともにビル3〜4階分の高さまで上昇。バケットが地上を離れるにつれ、生徒の表情が引き締まった。笑顔で地上に戻る生徒もいれば、「結構揺れた。怖かった」と苦笑を浮かべる生徒も。
 指導にあたった会員は「現場に出る我々の仕事は50年先もおそらくAIに代替されることはない。資格を取れば一生もの。がんばって」とエールを送った。
 照明回路配線体験では、会員の指導を受けながら生徒たちが実際の配線作業に挑戦。真剣なまなざしで一つひとつの配線を慎重に繋いだ。
 圧縮工具を使った圧着作業では、工具の感触や操作の繊細さを体感。パンチャーで穴をあける作業や電動圧着工具で圧着端子を潰す作業など、それぞれの作業に集中して取り組んだ。  体験を終えた佐々木亮平さん(15)は「将来は電力会社など電気関係の仕事に就きたいと考えている。今日の体験を忘れず、進路選択の参考にしたい」と話した。
 佐々木会長は「電気業界では将来の担い手となる若手技術者の不足が懸念されている。電気科に入学した皆さんに業界の魅力的な仕事を知ってもらい、進路選択の参考にしてもらえればとの思いで、このような取り組みを続けてきた。用意した幅広い分野の体験の中から何か一つでも興味を持っていただければ」と期待を込めた。
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※写真は
高所作業車のバケットに乗り込み、空へ
あいさつする吉田理事長
体験を終えて笑顔
プロの説明を聞く
照明回路配線体験
自らの手で配線


詳しくは2025年7月10日(木)号をご覧下さい。
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