2025年8月13日号
親子で秘密探究
夏休みわくわくオルガンワークショップ

photo  パイプオルガンを有する大川西根小学校で1日、恒例の「夏休みわくわくオルガンワークショップ」が開かれた。市内の親子6組が参加。オルガニストの香取智子さんが講師を務め、パイプオルガンの魅力と音楽の奥深さを探究した。
 同ワークショップは、大仙市生涯学習課が秋田オルガンかわら版の会に委託する放課後子ども教室推進事業の一環。約1時間のプログラムで本格的なパイプオルガンの世界を楽しんだ。
 香取さんは始めに、厳かな祈りの音楽「リタニ(連祷)」を演奏。その歴史的背景をわかりやすく説明した。続く「赤い靴下」では一転、参加者全員がボディ・パーカッションに挑戦。軽快なリズムに合わせて手拍子や太ももを叩き、オルガンの音量変化に応じて強弱をつけるなど、音楽との一体感を味わった。
 「歌にはメロディーがあり、そこに伴奏の和音が加わることでより豊かな音楽になる。それぞれの役割を意識しながら聴くと、もっと面白くなる」と香取さん。複雑な楽曲「フーガ」の演奏では、ディスプレイに映し出される楽譜を見ながら、複数の旋律が絡み合う楽曲の構造を学んだ。
 印象的だったのは、ジョン・ケージ作曲「′4″33(4分33秒)」の実演。オルガンの前に座った香取さんは4分33秒間、微動だにせず、鍵盤にも一切触れないまま。静寂の中、時間だけが過ぎ、参加者はエアコンの音や窓外の蝉しぐれに耳を澄ませた。
 「とても不思議なこの曲は、4分33秒間、1つの音も鳴らさずに弾く。音楽にとって、無音の部分も実は大切なパーツ。その場で聞こえる1回限りの音が、その時間だけの音楽体験」そう香取さんが説明すると、参加者は深く頷いていた。
 後半の個人レッスンでは、参加者が持参した楽曲をパイプオルガンで演奏。香取さんは「楽譜を追うだけでなく、『曲のここが大切だな』と考えながら弾くと、音楽はもっと楽しくなる」とアドバイス。子どもたちの背中を押した。

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※写真は
第1部に参加した親子
講師の香取さん
個人レッスンに挑戦
パイプオルガンを演奏する香取さん
演奏に耳を傾ける


詳しくは2025年8月13日(水)号をご覧下さい。
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