| 2025年11月11日号 |
雄物川流域の緊急整備完了
激特事業完成式
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2017年7月の記録的大雨による甚大な浸水被害を受け、県が秋田市と大仙市の雄物川流域で治水対策として進めてきた激甚災害対策特別緊急事業(激特事業)が完成した。このほど大綱交流館で完成式典が行われ、両市の市長や地元選出の国会議員、県議や地元自治会長ら91人が出席し、完成を祝った。
17年7月の大雨では、24時間降雨量が秋田市雄和などで史上最多を観測し、雄物川が氾濫。2000棟を超える建物が浸水し、秋田市と大仙市では住宅の浸水被害が床上、床下を合わせて計705戸に上った。
堤防整備を行い雄物川の氾濫による家屋浸水被害の解消を図るための激特事業は17年度から23年度にかけて実施した。整備事業の対象となったのは秋田市雄和から大仙市神宮寺までの雄物川流域33・7`の区間。14ヵ所で堤防を新築、かさ上げした。集落を囲むように堤防を設ける「輪中堤」も建設した。総事業費は233億円。
式典では国土交通省東北地方整備局の西村拓局長が「この激特事業の完成により、2017年7月と同規模の洪水が発生したとしても氾濫を防止し、流域の浸水被害の軽減が図られることから、本地域の治水安全度の向上はもちろんのこと、みなさんの生活や産業基盤の安定に大きく貢献すると期待している。今後も流域治水をはじめ、さらなる防災、減災対策を推進していく」とあいさつした。
老松博行大仙市長は「昨年7月の大雨で同地域での被害は確認されておらず事業効果が確実に表れている」、沼谷純秋田市長は「(建設途中の)一昨年の豪雨災害でも一定程度だが被害が最小限に食い止められたと思っている」と話した。
西仙北高校の泉谷愛斗さん(3年)は「この事業の完成は、地域の未来を守る大きな一歩だと感じている。自然の恵みを残しつつ安全で豊かな地域づくりが進んでいくことを期待している」と期待の言葉を述べた。
関係者がくす玉を開披して事業の完成を祝った。
式典ではアトラクションとして西仙北太鼓の会による刈和野大綱太鼓の披露もあり、「閃光の大綱(大蛇)」が力強く演奏された。
※写真は
浸水被害が発生した当時の協和峰吉川の岩瀬、湯野沢地区(東北地方整備局提供)
「輪中堤」整備後の協和峰吉川の岩瀬、湯野沢地区(東北地方整備局提供)
あいさつする西村局長
くす玉を開披する関係者
刈和野大綱太鼓の演奏
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