2026年6月18日号
樺がつないだ縁
樺細工伝承館と二風谷アイヌが初のイベント

photo  「角館樺細工×二風谷アイヌ工芸〜樺細工とアイヌの歴史をつなぐ〜」が5月30・31日、仙北市の角館樺細工伝承館で開かれた。桜の樹皮を素材に使う共通点を持つ角館の樺細工と北海道・二風谷のアイヌ工芸。アイヌ古式舞踊の披露や工芸体験を通じ、来場者は二つの伝統文化のつながりを感じ取った。
 「樺(かば)」の語源はアイヌ語で桜の樹皮を意味する「カリンパ」に由来するという説がある。自国で日本関連イベントを運営するサウジアラビアのエンターテイメント企業「フェニックス」が、この縁に着目。同館に本イベントの共催を提案し、初の試みが実現した。
 鈴木匡尚館長は「伝統は古臭いと思われることもあるが、埋もれていただけで逆に新しいものでもある。アイヌ文化の継承の大切さとともに、樺細工も原材料の桜の皮を含めてしっかり守っていく必要があることを感じていただきたい」と話す。
 30日のアイヌ古式舞踊のステージには、工芸師の平村太幹さん(28)と伝統工芸師の岡本朋也さんが登場。岡本さんは踊りを披露しながら各演目の意味を解説した。足で地面を踏み鳴らして邪気を祓う「タプカラ」、美しい鳥を射るかどうか葛藤する猟師の心情を表した「クリムセ(弓の舞)」、錆を帯びた刀で悪しきものを断つ「エムシリムセ(刀の舞)」と続き、竹製の口琴「ムックリ」の演奏も披露された。最後は観客4人がアマツバメの踊り「チャピア」に挑戦。軽やかに舞い終えると、会場から大きな拍手が起こった。
 チャピアに挑戦した秋田市の山田淳也さん(22)は「舞踊を見るのは初めてで、とても心を動かされた。見えない世界や自然に対するリスペクトが感じ取れた」とうなずき、一緒に訪れた土居史奈さん(22)も「足を踏みしめる踊りに引き込まれた。何かを表現するためではなく、大きなつながりの一部として舞っている感じがした」と振り返った。
 平村さんは「お客さんから『踊り出した瞬間に空気が変わり、胸に刺さった』という言葉をいただき、うれしかった。代々受け継がれた踊りを通じ、アイヌ文化に興味を持っていただければ」と語った。
 アイヌ文様の折り紙切り絵体験では、参加者が折り紙を丁寧に切り抜いて左右対称の文様を制作。物販コーナーにはアイヌ文様が刻まれた樺細工のタンブラーなど各工芸品が並んだ。
photo









※写真は
踊りについて説明する平村さん
アイヌ文様の切り絵体験


詳しくは2026年6月18日(木)号をご覧下さい。
ニュースバックナンバー



copyright (c)2005 AKITA MINPOU-SYA All Rights Reserved
このサイトに関するご意見ご感想は、minpo@camel.plala.or.jpまで